太田豊 [][][][][][][][][][][][]            プロフィール

― 今までどのような舞台に参加されていますか?


 演劇やダンス公演を中心にたくさんの舞台に参加してきました。最近では小池博史さんの「世界会議」や岡本貴也さんの「朗読劇 陰陽師」です。どちらも劇音楽の作曲・制作だけでなく、舞台の上で生演奏もしています。舞台作品は役者やダンサーが生身でしゃべったり動いたりしますから毎回違ってきます。音楽も生演奏であれば「ここしかない!」っていう最高のタイミングや間で音を入れられます。だからとてもやりがいがあって大好きです。

― いろんな楽器を演奏されていますね。

 今回の公演では、横笛、琵琶、サックスを使う予定です。僕の活動の半分は雅楽演奏家です。雅楽の世界では管楽器、絃楽器、打楽器、歌、舞が全部できて初めて一人前なんです。そのせいか楽器をいくつも演奏することに抵抗がありません。一般的には器用貧乏なんて言われてマイナスイメージがありそうですが、普段は洋服だけどたまに着物、お寿司が好きだけどハンバーガーも好き、フローリングの床にコタツ、みたいな現代の日本人としては自然なことじゃないかと個人的には思っています。

―「不思議な魚」について

 この公演では久乗編鐘を使っているアーティストみんなで共同制作をやりたかったんです。普段は別々に活動している7人が今回初めて共演するわけですが、一人一人のセンスや技術を1つの作品にまとめるために「不思議な魚」という物語に接着剤のような役割を担ってもらいました。例えば作品中に「歌」が聞えてくるシーンがあるのですが、この歌のメロディーは太鼓の堀さんにおまかせしました。作っていただいたメロディーをメールで送ってもらい、本番では他メンバーとのデュエットにしました。さらにこの曲から若林さんがダンスの振付を考えます。こんな風にパスを回すようにしながら制作していきますが、みんな室生犀星の世界を共有しているのでバラバラになったりしません。そして当日舞台で起こる一期一会の化学反応をとても楽しみにしています。

 太田豊ウェブサイト

 https://otayutaka.com/


山口幹文 [][][][][][][][][][][][]

プロフィール

ー はじめて久乗編鐘を知ったのはいつですか?

 10年くらい前、佐渡に永六輔さんが来ていた時に、たまたま山口(久乗)さんもいらして「こんな楽器があるのですが、どうですか?」というのが最初です。

 突然、永さんがミニコンサートをやるからって、佐渡の宿根木集落で。それで急遽おりんを演奏することになって「遠くへ行きたい」をやったら、永さんが舞台で歌うのかな?って思ったら手話で歌詞を語り始めて...。思えばあれが久乗編鐘との出会いですね。

ー 鼓童でも山口久乗のおりんを使っていますね

 そうですね。音色が独特で、音高が正確なので積極的に使っています。それまで鼓童では金属の楽器としてはインドネシアのガムランを使ったりしていましたが、ピッチがずれることもあって...。自分のコンサートでもよく民謡を、富山でやるときは「こきりこ節」なんかを演奏しています。

ー 真笛(まこぶえ)についておしえてください

 真笛は真竹(まだけ)で作った笛です。普通の日本の笛は篠笛というくらいで、篠竹(しのだけ)を使うんですね。僕は長年、太鼓のチームで笛を演奏していますから、太鼓に負けない音量が欲しいんですよ。篠笛だと音量が出ないので、笛を作ってくださる笛師さんに相談したら「真竹で作るとすごく大きい音が出るよ」と。それで作ってもらったら、音量が豊かで、遠鳴りもするし、強弱もつけやすいんですよ。低い音から高い音まで表現力のある笛で、それ以来8割方は真笛を使っています。

ー 今公演への意気込みを聞かせてください。

 この公演は楽譜じゃなく台本を読むことから始まって(笑)僕としては珍しいパターンで、映画音楽を作るようなつもりでがんばろうと思っています。これまでいっしょに演奏したことの無い楽器や人達とどんな出会いになるか非常に楽しみにしてます。

鼓童ウェブサイトhttps://www.kodo.or.jp/performance/performance_solo/3835


若林美津枝 [][][][][][][][][][][]

プロフィール

― ダンスをはじめたきっかっけは?

 母が佐渡でダンススタジオを開いていて、私は5歳からジャズダンスを習い始めました。でも先に始めていた姉の姿を遊びながら見ていたので、実際に自分が踊り始めた時期が分からないくらい自然に始まっています。

― ジャズダンスとはなんですか?

 20世紀初めにジャズミュージックで踊るジャズダンスが生まれて、アメリカのブロードウェイなどのミュージカルで踊るミュージカルダンスやシアターダンスに発展していきました。なのでそういったものを想像してもらうとわかりやすいかもしれません。

― ダンスのときはどんなことを意識しますか?

 私は身長が高いせいもあって、舞台で一人で踊ることが多かったんです。大ホールの空間を一人でコントロールする、大勢のお客さんのエネルギーに一人で答えるという必要があるので、舞台全体の空間を意識しています。20代の頃はその空間の中を駆け抜けたりするようなダイナミックな表現を好んでいたのですが、最近は空間に対して自分を溶け込ませていくような存在感を出したり、寄り添うような感覚も心地よく感じるようになって来ました。そうした変化も舞台では大切にしています。

― ダンスと久乗おりんについて

 ベラルーシの国際コンクールで準グランプリをいただいた「朱縷衣」(しゅり)は久乗おりんがなければ生まれなかった作品です。この作品と久乗 おりんと共に私は成長させてもらったと思っています。とても大事な存在です。「朱縷衣」は舞台に座っている女性(※お姉さんの若林優子さん)がいて、私はその女性の内面性を表現しています。おりんの音は、身体の中・内面性に入っていくための音です。いつもこの作品を踊るたびに、おりんと私がつながっているのを実感しています。

― 今公演への意気込みを聞かせてください

 久乗おりんという共通点がありながら、初めてお会いする皆さんとの共演がとても楽しみです。私とは違うおりんの表現がたくさん出てくると思うので、それも楽しみにしています。